日々是総合政策No.250

2022年元旦

 新年明けまして、おめでとうございます。

 新型コロナウイルス感染症の心配が地球規模で続く中、2度目の新年を迎えました。日本では、昨年に実施されたワクチン接種の進展とともに、昨夏に比べ昨年末には新規感染者数が激減し、重症化リスクも低下しています。また、従来型よりも感染力の強いオミクロン株の感染拡大が、現時点では欧米諸国に比べ相当に抑制されています。さらには、3回目のワクチン接種も始まっています。
 この日本の現状について、皆さんは、どう思いますか。読売新聞が2021年12月3~5日に実施した電話全国世論調査では、岸田内閣について「支持する」62%、「支持しない」22%で、年末年始の旅行や帰省については「感染防止策を徹底していれば問題ない」48%、「感染が拡大する恐れがあるので自粛すべきだ」49%でした(注1)。皆さんは、今年のお正月をどのように過ごされていますか。
 日本のコロナ感染対応についてどう評価するかは、評価の対象と評価する主体と評価する基準で異なります。評価対象が、感染状況(新規感染者数・重症者数・死者数及び人口1千人あたりの各人数など)や経済状況(国内総生産・売上高・失業者数・倒産数・消費支出など)といったコロナの感染やその影響の結果を表す諸変数のいずれの数値なのか(注2)、コロナ感染に対して政府(国・地方政府[都道府県・市町村])が実施する諸対策(封鎖対策・経済対策・医療対策など)のいずれの対策なのかで、評価主体・評価基準が同じでもコロナ感染対応の評価は異なります。他方、評価主体が政府なのか民間主体なのか、研究機関なのか非研究機関なのか、利害関係者なのか中立な第三者なのかなどで、つまり評価主体が誰かで、評価対象・評価基準が同じでもコロナ感染対応の評価は異なるでしょう。
 政府関係者は、またテレビ・新聞などで発言している民間言論人は、いかなる評価対象に関して、どのような評価基準に基づいて、自らの意見を述べているのでしょうか。あるいは、その意見は、特定の評価主体の意見を基に、述べられているのでしょうか。
 皆さんには、評価対象・評価主体・評価基準の3つの窓から、コロナ感染対応の評価を考えていただきたいと思います。

(注1)この詳しい調査方法などは、読売新聞オンライン(2021年12月6日、https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron-chosa/20211205-OYT1T50116/ )を参照のこと。ただし、別メディアの世論調査では、岸田内閣を「支持する」66.4%、「支持しない」26.2%で、「年末年始に『帰省も旅行もしない』と答えた人は79.5%」でした(FNNプライムオンライン2021年12月20日、https://www.fnn.jp/articles/-/287920)。
(注2)NHK「特設サイト新型コロナウイルス」の「データで見る」を参照のこと(https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-widget/#mokuji0)。
上記のURLの最終閲覧は、2021年12月30日。

(執筆:横山彰)

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