日々是総合政策No.330

日本の税を考えるー消費税再考(6)消費税と輸出

 今回は消費税の長所として、消費税が輸出に課税しない点を紹介します。
 消費税は国内の消費に課税し、外国での消費には課税しません。日本から輸出される車は、外国にいる消費者等が購入するので、日本の消費税は課税されません。
 しかし、法人税は、輸出品の販売収益にも課税します。法人税を輸出品の購入者に100%転嫁(完全転嫁)しない限り、輸出企業の法人税引収益の低下を招きます。
 以下、消費税における輸出品の扱いを説明します。
 小売業が製造業より製品(たとえば、衣料)を仕入れ、消費者に販売し、その一部を輸出するとします。
 輸出しない製品、つまり、日本で販売する製品については、税率を10%とすると、小売業が税務署に納める税=0.1×(税抜売上―税抜仕入)、となります(詳しくは本コラムNo.328 を参照)。
 つまり、小売業の納める消費税額=売上税―仕入税、です。売上税を小売業に支払うのは、小売品(衣料)の購入者である国内の消費者です。他方、仕入税は、小売業が仕入先の製造業者に支払います。この仕入税は、製造業にとり小売業に対する売上税であるからです。
 ところが、輸出品については、日本の消費税を課さないので、まず、売上税がゼロとされます。しかし、小売業は、仕入段階で製造業者に仕入税をすでに支払っています。
 よって、輸出品の消費税を完全にゼロにするには、小売業の支払済みの仕入税もゼロにしなければなりません。そこで、輸出品については、
 小売業の消費税額=ゼロ×(売上―仕入)、とされます。
 つまり、売上と仕入の双方に税率ゼロを適用します。いわゆる、ゼロ税率方式です。
 実際には、税務署への申告の際に、輸出分について小売業者の仕入税は還付(払戻し)されます。
 輸出か否かは、消費の場所(消費地)で決まります。日本を訪れた外国人の日本での食事代には、日本の消費税が課税されます。しかし、日本で購入した時計を外国で使用する場合、国外消費なので輸出となり、日本の消費税は課税されません。
 ちなみに、2025年の輸出額は約107兆円、輸入額は約108兆円です(注より)。

注 

財務省(2026) https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/balance_of_payments/preliminary/pg2025cy.htm 最終アクセス 2026年10月31日。

(執筆 馬場 義久)

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